フロントフォークからの油漏れ…。
今回は右のフロントフォークから油が漏れが発生したので、オーバーホール作業をしていきます!
それと分解するついでに、ハイパープロの強化スプリング&オイルに交換しようと思います!!
フロントフォークの取り外し。
まずはメンテナンススタンドでフロントを持ち上げます。
フロントアップをしたらフロントフォークに付いている、ブレーキキャリパー・フェンダー・ホイールを外します。
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キャリパーの固定ボルトを外すには、T50のトルクスが必要です。
キャリパーはそのままぶらさげているとホースに負荷がかかってしまうので、タイラップなどで軽く吊り上げています。
ちなみに自分のR25は、左右とも25.25mmでした。
測定をしたらこの状態でトップキャップをある程度(手で回せるぐらいまで)ゆるめておきます。レンチサイズは22mmです。
フロントフォーク単体の状態だとトップキャップがインナーチューブと一緒に回ってしまい取り外すのが非常に難しくなるので、ここでゆるめておくと後の作業がすごく楽になります。
トップキャップをゆるめたら、フロントフォークをクランプしているアッパーボルト(6mmの六角レンチ)とロアボルト(12mmのレンチ)をゆるめて、フロントフォークを下に引き抜きます。
フロントフォークはボルトをゆるめたらストンっと下に落ちてしまうので、しっかりと手で押さえながらゆるめます。
これでフロントフォークの取り外しが完了です!
フロントフォーク分解。
続いてフロントフォークを分解していきます。
先ほどゆるめておいたトップキャップをゆるめて、中に入っているオイルを抜き出します。
フォークオイルを抜いたら、小さなマイナスドライバー等でこじるようにしてダストシールを外します。
インナーチューブに傷が入らないように慎重に作業します。
次にオイルシールが抜けないように固定しているスナップリングを同じように小さなマイナスドライバー等を使って外します。
ここもインナーチューブに傷が入りやすいので慎重に作業をしました。
写真だとわかりずらいですが、油漏れをしていた右側フロントフォークの外したスナップリングのサビがひどかったです。
スナップリングを外したらフォークを逆向きにして、フォークの下部にあるアウターチューブとシリンダーをつないでいるボルトをゆるめます。
このボルトはインナーチューブと一緒に回ってしまうので、インパクトを使うかダンパーロックソケットが必要になります。
ボルトが外れたら、アウターチューブとインナーチューブを左右に振りながら引っ張って分離させます。
これでフロントフォークの分解は完了です!
スナップリングがサビていた時からそうだと思っていましたが、外したオイルシールはやっぱりサビと汚れですごく劣化していました。
フロントフォークのオイル漏れは、オイルシールの劣化が原因でした!
フロントフォーク消耗品交換と組み込み。
組み込みの前に、消耗品を除くすべての部品をパーツクリーナーで清掃します。
それと組み立て時に消耗品を交換するのですが、必要となるのは以下5点の部品です。
オイルシール。
油漏れのほとんどの原因が、このオイルシールの劣化です。
ダストシール。
ダストシールはオイルシールにゴミや水が浸入しないようにするためのものです。
これがダメになるとその下にあるオイルシールに影響を与えます。
ガスケット。
アウターチューブとシリンダーをつなぐボルトのガスケットです。
銅で作られているので分解時は交換必須です。
メタルスライド。
インナーチューブがブレないようにガイドするための機構部です。
分解してみないと交換が必要かわからない部品ですが、せっかく開けるなら交換したいところです…。
O-リング。
トップキャップのシールパッキンです。
交換部品が揃ったらフロントフォークの組み立てをしていきます。
真ん中のバネが付いたものがシリンダー |
インナーチューブの中にシリンダーを通して、シリンダーの先端にスピンドルを取り付けします。
スピンドルの中には短いスプリングが入っているので取り付け忘れをしないように注意します。
アウターチューブに入れる時は、シリンダーをインナーチューブ側に押し込んでおくと作業しやすいです。
インナーチューブ側には、メタルスライド→ワッシャー→オイルシールの順番で取り付けしていきます。
オイルシールを入れる時はインナーチューブのリップで傷が入らないようにラップなどを巻いておきます。
このラップはダストシールを取り付けする時も使います。
ここまで準備が出来たら、アウターチューブにインナーチューブを組み込み、ガスケットを交換したボルトでシリンダーとアウターチューブをつないでいきます。
ここでも外す時と同じように、インパクトで締めると一瞬で終わります。ただし、ガスケットは銅で出来ているので締めすぎると変形してしまうので注意が必要です。
シリンダーとアウターチューブをつないだらフォークの向きを反対にして、オイルシールの圧入をしていきます。
塩ビのパイプ |
オイルシールを圧入するのに使うのは、UV40というサイズの塩ビのパイプです。
インナーチューブの径より少し大きくてあんまり固くないもので探したら、これがジャストサイズでした(^v^)
ちなみにオイルシールプッシャーという専用工具があるのですが、フロントフォークのオーバーホール以外に使えないのに価格がめっちゃ高いので、自分は買うのをあきらめましたww
写真は嫁ちゃんが撮ってくれてる |
オイルシールを指で入れられるところまで押し込んだら、塩ビパイプを通して上からゴムハンマーで叩いて圧入していきます。
あんまり強く叩くとシールが切れたり(実際に自分がやらかした!)するので、ほどほどの力加減で押し込んでいきます。
オイルシールはスナップリングの溝が見えてくるまで圧入し、スナップリングでしっかりと固定をします
スナップリングをはめたら、フリクションロスを低減させるためにオイルシールの少し上のインナーチューブにシリコングリスを塗布し、ダストシールを組み込みます。
ハイパープロのスプリングとオイル。
続いてフロントフォークオイルを入れていきます。
オイルを計量カップに入れてフォークに入れていきます。
純正のスプリングを使う場合は487ccのオイルを入れると適正な油面レベル(121mm)となるのですが、ハイパープロのスプリングだと油面高さを140mmにしなければならないので、標準より少なめの460cc程度を入れていきます。
オイルを入れたら、インナーを数十回ぐらいストロークさせてエアを抜きます。
エア抜き後は気泡がなくなるまで放置します。
時間を置いて気泡がなくなったら、インナーチューブをめいいっぱい縮めた状態でリップから140mmの位置に来るように油面調整をします。
油面調整後は泡立てないように静かにスプリング→ワッシャー→カラーの順番で入れていき…
パッキンを交換したトップキャップで蓋をしたら、外した時と逆の手順でフロントフォークを車両に組み込んでいきます。
突き出し量の調整とシャフトの通りを確認したら、アッパーボルトとロアボルトを締め付けていきます。
締め付けトルクは、アッパーが21Nmでロアが30Nmです。
ボルトを締め付けた後にトップキャップの本締めを行い、ハンドルやフェンダーやホイール、それにキャリパーを元通りに戻します。
これでフロントフォークのオーバーホールとハイパープロのスプリングへの交換が完了です!
まとめ。
作業完了後にテスト走行をしてきました。
フロントフォークとブレーキ、よし! pic.twitter.com/AzVChcFwQ2
— でかじよー (@dekajiyo) August 29, 2020
はじめてフロントフォークのオーバーホール作業したので少し不安なところがありましたが、油漏れをすることなく正常に動いてくれました (´▽`) ホッ
それとオーバーホールしたついでにハイパープロのスプリング&フォークオイルに交換したことについては、乗り始めてすぐに効果を感じました!
特に感じたのはブレーキの時で、ノーズダイブが純正スプリングだったときよりかなり抑えられています。
またスプリングと減衰が強くなった分、フロントの接地感が増したのでしっかりとフロントの荷重をかけて曲がっていけます!!
正直いって同じバイクだと思えないぐらいです!!!
多分、現行の倒立フォークもこんな感じなんだろうな…(^v^)
交換する作業がちょっと手間ですが、今回みたいにフロントフォークのオーバーホールタイミングやオイル交換のタイミングが来たらぜひ試してもらいたい一品だと思います。
ではでは、また。
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